慢性骨髄性白血病について その1

さて、散財ばっかしていてもいけないので、ちょこっとしたお話をばひとつ。

yamotoこと私は、実のところ慢性骨髄性白血病CML)という病気にかかっております。
この病気に関しての実体験と現状をちょっと語ってみたく思います。



・意外となってみてビックリ、自覚症状があまりない病気


yamotoの場合、無茶に体力が有り余ってる生き物です。
真冬にTシャツ一枚で外を出歩いても風邪を引いたりとかあまりしないのが自慢でした。


しかしながら、ある日かかった風邪が悪化し、肺炎となってしまったわけでして。
その時は「あー。いい加減歳を自覚しろってことかなあ」なんて思っていたんです。走ってもかなり疲れやすかったりしましたし。
その後肺炎の調子を計るために、血液検査とレントゲンを合わせてチェックした結果。
喉の炎症や肺の炎症は治ってるのに白血球の数が異様に多いということで、白血病の疑いが出てきたわけです。はい。


その時はもちろん、冗談みたいな気分でしたね。
たまたま引いた風邪が、たまたま悪化した。その程度の考えでした。
レントゲンに写ってない肺の炎症とかもあるだろー、みたいな風味で。


その後大きな病院の血液検査で見事に引っかかって慢性骨髄性白血病と確定したわけでして。
ある意味もの凄い幸運であったとと思えます。恐らく最初期の段階で発見が行われたのですから。


なので、言えることがあります。


健康診断で血液検査とかがありますが。メンドイからっていって適当なトコで済ませたり、仕事優先だからって健康診断をカットしたり、或いはそもそも健康診断をしない会社だっていって何もしなかったりはオススメしません。
自覚症状のない病気はわんさかありますが故。1年1回のメンテナンスぐらいはちゃんとやりましょうってことで一つ。
しかもこの手の病気は狙い撃ちみたいに突然やってきますので、生命保険やらガン保険は無駄と思っても入っていた方がいいです。
もしもの場合に備える。もしもがなかったらラッキーみたいな風味で。



数年間一切病院に行かなかった男の言うことじゃありませんけどね。





・字面とは裏腹の案外なんとかなる病気


慢性骨髄性白血病CML)って言われて、まず最初に出てくるイメージって皆さんなんでしょうか?
恐らくすっげえ確率で死にやすい、とんでもねえ難病、みたいな印象ではないかと思います。はい。
実際十数年前まではまさにそんなもんで、かかったと分かったら医者より棺桶を用意した方がいいとかいう話もございました。


でもまあ、今はそんなこともないのです。
グリベックという非常に効果的で手間のかからない医薬品が出来ている現状ですから。
現在お世話になっている薬局の人曰く「3人に2人は効く形」だそうでして。
とてもありがたい時代になったものだと思えます。はい。
しかも元来薬を飲まないタイプだったせい&体力が有り余る30代手前ということもありまして、グイグイと骨にしみるぐらいに効いてくださいます。本当にありがたいことですが。
さらに現在その後期型として、効果のない人にも効くタイプの新薬も開発が進んでるようですので、これからの医療の進歩に期待致します。



・現在までyamoto的に慢性骨髄性白血病治療における最大の敵は?


僕個人としては、医療費です。
これがかなり恐ろしい金額になってやってきてくださいます。
グリベックってお薬、ぶっちゃけた話をするとものすごーく高いんです。
もちろん国の制度で「高額医療費における限度額」の項目があるお陰で何とかなるんじゃ? ってこともあるんでしょうが。


これが支給されるのって、3ヶ月後なんですよね。
つまり、3ヶ月を乗り切るまでは恐ろしい値段のお薬に震えながらそれを毎日、豪華なことに4錠ガバガバと飲み下すわけです。
これがまた、思いの外精神をささくれ立たせてくれます。
薬局の人のお話だと、払いきれないため治療を諦める人もいるとか言われました。
それは納得しちゃいけないんですが、せざるを得ません。


なにせ1ヶ月平均15万近くがすっ飛ぶんですから。たかだか15万と言う無かれ、一人暮らしには致命的でございましょう?
これが6錠とかに増量された日にはもっと涙が流れ続けることに。医療金を借りられる制度もありますが、普通いきなし言われては借りることもできないでしょう。


さらに僕自身も、その制度を知ったのはネット検索をし、様々な方の実体験を交えたものがあったからで、普段知ろうとしても耳にする機会はまず有りませんからね。


なので身近な方が同じような病気になっちゃったよ、ってときは可哀想とか大変だとか言う前にこういう制度もあるんだよ、と教えてあげてください。治る病気ということもちゃんとふまえた上で。

当人からしてみればスッゲエ重たい病気なのに、金まで恐ろしくかかるのか! と泣きたい気分で一杯になってるかもしれませんし、助かる道を放棄するかもしれませんので。そう言うのこそ、一番やるせない結末だと思いませんかな?


この病気だけではありませんが、病人を可哀想って哀れむのは簡単なんです。
病気に対して、対抗できる手段を教え、しっかり前進させてあげることがやっぱり周りの方に求めたいことじゃないかと思います。本人だってあんまりかわいそうかわいそうって言われたら落ち込みたくなりますから。





・何故難病に指定されていないのか


難病指定されている病気は基本的に医療費は免除されます。
しかし、この治りにくいと評判の慢性骨髄性白血病ですが、何故か指定されてません。

これをふと、薬局の方に聞いてみました。答えは実にスマートなモノで「治る病気だから」なのです。
無論時間はかなりかかっちゃいますが、その間にも新薬やら、治療法やらが研究されているわけでして。
もしかするとこの病気が、普通のお医者さんでも治療できるようなレベルにまで下がることだってあり得るわけです。


そのために、高い医療費を支払ってると思ってあげてください。


こーいう病気が辛いのは僕が言うのもなんだけども、よく分かります。
実際病棟から出られない人の話なんかを聞いて、僕がどれほど幸運なのかと思うこともしばしばあります。
元々税金払うのもイヤだっておもってるくちなので、本音で言えば高い医療費なんてまっぴらごめんな訳ですが。


かといってぱったりと死ぬわけにも行かないし。さらには現在重い状態な人や、或いはこれから出会うであろう方の助かる機会を投げ捨てるってのはなんとも目覚めが悪いわけでして。


いつか「こんな病気もあったんだよ」みたいなことになれば嬉しいんですがね。




ってことで長々と垂れ流しましたが、yamoto的主観で捉えた慢性骨髄性白血病CML)のお話はこのへんで。
機会がありましたら、また語ってみたいと思います。
それではでは、次は散財記にてお会いいたしましょう。