一品物ではない古参兵

ヤバドゥ! ヤバドゥ! ヤバドゥ!!
とうとう1年間の無職を通り過ぎ、懐は常に尽き行くばかり。
枯れた秋の夜長に、財布の紐はほどけ、金は宙を舞う!!

ってことで何時も通りのギリギリアウトラインを突っ走る散財チャンネルです!


今回の散財品はこちら!!

プラチナ万年筆製品ページ


プラチナ万年筆さんの歴戦兵、MPS-200「プレスマン」さんでございます!!
ではでは早速レビューをして参りたいと思いますのでお付き合いの程お願い申し上げます。



・シックなボディに秘められた性能


見た目からしてわりと普通……というよりは寧ろ時代を今から10年ほどさかのぼったデザインをしており、フルプラスチックのボディに申し訳程度に使われた金属パーツは、高級アイテムに慣れた人からすれば、「安っぽい」の一言で片付けられるかもしれません。


さらにお値段も見た目通りで廉価な200円程度で入手可能なのにわりと品薄なため、大型文具店でオシャレなフルメタルの製図用シャーペンと共に並んでいるとするともうっかりスルーしてしまうことでしょう。


しかしながら、このシャープペンは決して他では味わうことの出来ない書き味をその身に秘めた「プロご愛用品」でございまして。数々の文具を触れて渡り歩く物にとっては僅かならず驚かされる一品だったのです。


それはスペックシート状に表記されている文字。


「速記用シャープペン」


この一文がこのシャープペンを他の物と一線を画すものとして形成しているのです。



・プロの速記に耐えうる為に選ばれた能力

さて、このシャープペンの目指すべき性能が他の万能型と大きく異なるということを踏まえた上で、スペックシートにある違和感のある部分を開明していこうと思います。


まずはこのシャープペン。太さが0.9mmと、通常のシャープペンから考慮しても倍程度の太さを持ち得ております。さらに専用芯として、通常なら 60mm程度しかないはずの芯を倍近く伸ばした100mmロング2B芯を採用しており、滑らかながらも強靭さを持ち、さらには芯交換のタイミングを先延ばしすることに成功しております。


そして、速記をしていけばおそらくはすぐに気付くことでしょうが、ガガガガッと感情の赴くままに筆を動かすと通常ならば芯がヘシ折れてしまうようなこともありえます。結果としてそこで折れた芯が詰まり、タイムラグが発生してテンションが下がってしまうことがあったと思います。


しかしながら、このプレスマンはセーフティスライドという機構が備わっており、余分な筆圧がかかった瞬間、先端に仕込まれたバネがその衝撃を吸収し、芯の中折れを防いでくれるのです。


この機構を搭載しているシャープペンは僕の知る中で、プラチナ万年筆さんの製品のみだと記憶しております。しかも恐ろしいことにこのプレスマンは、開発から相当時間が経っており、未だにその能力を発揮し続けて前線に立っているのです。


このプレスマンは、シャープペン界の中で、最前線に立ち、戦火に常に晒され続ける歴戦の突撃兵のような立ち位置と言えるでしょう。


・恐ろしいほどのコストパフォーマンスと生産持続性

プロ仕様に必要な物とは何でしょうか。僕は少し考えてこう答えるでしょう。


「第一に性能。第二が価格。第三が供給」


プレスマンはその点、まさに合格。量産品の中の特級品でした。


安っぽいと思われるABS樹脂製のボディは8.5gと軽いもののしっかりとした作りであり、さらにグリップ部分に刻まれたギザギザが指にしっかり馴染む上、ボディバランスはほぼ中央。


胸ポケットに「駐在」させる際に必要なクリップ部分は細いボディに反比例するが如くボディの3分の1を占める程度まで幅広かつ柔軟な作りとなっており、このバランスで作られたシャープペンを探すのが難しいほどの一品となっておりました。


次に、価格に関しては先ほど説明したとおりに200円と非常に安価となっております。


しかしながら、当初に聞いたときと大分印象が変わったのではないでしょうか?
100円、200円であるシャープペンは大抵数打ちで特に目だった能力もなく、その場で使えればいい程度のレベルのものだという認識を塗り替えて行くこの一本。

機能を絞り込み、目的に合わせればここまで尖った一品ができあがるのだと見せつけており、200円を価値ある値段として誇らしげに飾っております。


さて、最後に供給についてでですが。


このプレスマンはなんと1978年製造品。


シャープペンがまだ鉛筆よりも少なかった時代から、現役のまま姿を変えずに立ち続けておりまして。

モデルチェンジで次々と新しい品が生み出され、一般用途の0.9mmが淘汰されていく中、このプレスマンは持ち場を30年以上堅持し続け、大きな栄光を得ることもなく、決して騒がれることもなく静かに持ち場を維持し続ける古参の部隊なのです。

強度に限界が来たときその身体は朽ちて倒れても、次のプレスマンが現場を引き継ぎ戦線を切り開いていく。


量産品の誇りすら感じる品でした。


・yamoto的な捕らえ方は?

さて、ではではそろそろ良い子ちゃんな戦記表記を終了し、脳汁駄々洩れトークをさせていただこうかと思います。


ヤバドゥ!! この子やべえって! 200円にしちゃやりすぎだって!


芯をぐぐぐーっと伸ばして鉛筆っぽく描いたりできるし、芯研ぎ器つかっちまえば0.3ミリでもいけちまうぜヒャホウ!!


しかも2Bの柔らかさとバネ仕込みのコラボがたまんないっすよ旦那! ざかざか描いても線が薄くなんないし、柔らかさが鉛筆並みに素敵なことになっちゃってるZE!


その上芯もやっすいんだよ! 10本入り98円ってどこぞのアスパラみたいな値段じゃないっすか!


え、落ち着け?


オーケー、オレのアスパラは見事に落ち着いたぜ。


ってことで、このプレスマン。仕事で使うシャープペンとしてはまさに「逸品」の名にふさわしいと判断させていただきます。仕事でボールペンばっか使っててあきたー、とか、鉛筆ぽい書き味じゃないと気合い入りづらいんだよねー、とか言う方に大変お奨めできる品となっております。


是非ともお試し下さい。


と、いったところで今回はこれに──



「随分長かったわね」

「お前の悪態トークも久々ですね、脳内金髪少女メリー(18禁)。残暑厳しい中熱吸収率抜群でクソ暑そうな黒ワンピで登場するあたりにお前の悪意を感じるんですがどうでしょうか」

「大変見苦しくて蒸し暑い生き物が溶けて無くなれば、少しは涼しくなるかと思ったのだけど」

「本気で最悪ですか、お前」

「貴方の人生がそろそろ最悪の佳境を迎えて居ると思うわね。30歳独身無職実家住まい引き籠もり。これ以上無い社会の屑になった気分はどうかしら」

「本気で首を吊りたくなること言わないでくださいよ」

「早くしたら?」

「1ミリほども躊躇しなかっただろう、今」

「躊躇する理由がないもの。それで、これがその社会の歯車用道具?」

「お前は一度疲れたお兄さん方にガチレイプされて、そのまま飼われて頭の中を真っ白にして貰え。後勝手にさわんな」

「青酸ガスで人生もろとも真っ黒にしてあげるわ。なるほど、これは私の手でも持てるぐらいに軽いわね。扱いやすい易さはBランク、ぐらいかしら」

「復讐で何人殺してしまう気だお前。そのシャープペン、わりかし女性にも受けがいいんだとさ。デザインはどうよ?」

「よく言えば機能性のみを考慮してるわね」

「悪い方は言うなよ」

「デザインとしては論外ね」

「言うなっつったろが!? まあ、そうだよなー。ドイツ製品だと見た目と機能が合致してるやつが一杯だし。こいつはびみょーっちゃびみょーな見た目なんだよ」

「30年の時代を超えてもデザインを変えてない根性だけは褒めてあげるわ。未だにユーザーが絶えない事実もね」

「お、意外と今日は優しめだな」

「平たく言うと商売下手だもの、プラチナ万年筆」

「おま!!? 言うてはならんことを!?」

「解りづらい製品情報ページ。ベーシックすぎる万年筆類の製品デザイン。機能のネーミングセンス。全てがユーザーを拒絶しているとさえ思えてならないわね。どこの会社も成し得ない技能を盛り込んでる癖に、文具界の一見さんお断りとして勇名を馳せすぎじゃないかしら」

「やめ! おま、ストップ! それ以上行ったらマジ捕まってハイライト消されるって!! 大人が触れちゃいけない世界にぐんぐん踏み込んでるって!」

「その時は泣きながら警察署に、貴方に言えと脅されたと言うことにするわ。勿論服は破っておいて」

「お前はオレに有害なことしかしない悪魔ですか。と言うか悪魔の方が数倍優しいぞ」

「天使のつもりだけど。メタトロンっていう」

「断罪しまくるな。無差別テロだぞ、あれ」

「折角だからこのペンの新しいキャッチコピーを考えてあげるわ」

「ほう、どんなメリーセンス炸裂ですか?」

「黒光りして太くて長い、逞しい一本。ワイルドな中に優しさ配合の中年紳士」

「とんでもなくイヤな方向につっぱしるンじゃねえ!!?」


と、いうことで何時も通り危険な方向に爆走し続けたメリーに、禁断のシャー芯インプラントアタックを決めつつ今回はこれにて。


宜しかったら是非、貴方の仕事仲間や勉学の友にしてあげてくださいませ。